本業と副業、プロとアマチュア
最近、「本業と副業」というのか、「プロとアマチュア」というのか、まぁそういう微妙なところのことをよく考える。
うちの実家は自営業。その道の「プロ」でやっていて、それで子供を3人育てていて。そんな両親が、仕事の依頼を受けた際に金額を提示したところ「ボランティアでやってくれるひともいるのに」的なことを言われたことがある、なんてのをずいぶん昔、自分が子供のころだったか聞いたような気がする。「なんだかなー」、と思った。
ひと昔前よりも、文章を書くのも、ウェブサイトを作るのも、デザインをするのも(多分私の知らない多くの業界で)、写真を撮るのも、プロでない人がソフトやアプリなんかをつかって "それっぽいこと" に手を伸ばせる時代になっている。だからこそ新たな世界を垣間見ることができて、チャレンジの壁が低くなっている。趣味の域が広がるし、夢を与えているんだと思う。そう、私も見よう見まねでオリジナルのTシャツなんかを作ったりできる時代。だから副業だったり、アマチュアだったり、ボランティアだったり、そういうのはやれる人はどんどんやっていったらいいと思う。
一方で、一応、"宿屋" を本業としてい生きている側面から自分を考えたとき、「なんだかなー」な経験はときどきある。例えば予約依頼の電話口で、「寝られたらどこでもよくって。ラウンジで雑魚寝でもいいから、もっと安くしてくれません?」とか「宿屋って儲かるんですかね。空アパートつかって副業で民泊やろうと思ってるんですけど〜」みたいな感じで。
副業を肯定したい自分と真逆に、本業にこだわりたい自分もいる。
では、この問題、どう考えたらいいんでしょう?
考えたのは、両者がもっと丁寧になる必要があるのでは、ということ。
プロ相手に値切ったり、「クオリティは求めないので」と言ってしまうひとにはまず丁寧さに欠けている。もちろん予算の都合なんかで本業の方にお願いできないことはあると思うが、言う相手を間違っちゃいけないよな、と。例えば私が、「Tシャツ作りたいけど予算ないから今回はタダでやって〜」ってなんていつもお願いしているデザイナーさんに言ったら、今までの関係性はゼロもしくはマイナスになると思う。「あんたとの関係なんてどうでもいいぜ」みたいに思っていたらそういう話も軽々しくできるのかもしれないけれど、逆に言うと相手からしたら「あぁ、私を大切にしてくれないわけね」とバレるわけだ。存在意義というのか、やってる仕事を軽んじられているのだな、と凹んだり、腹が立ったりする。少なくとも私の場合は。
一方で、その道のプロであるひとももはやこういう時代がゆえに、そんな言葉に傷つく時間はもったいないというか、「あの人はそういうこと言っちゃうひとなのね〜」とあっさり関係を断つのも一つの手で、それよりも揺るぎない気持ちでプロとしての仕事を淡々と続け、そしてそれを発信し続ける。「あぁ、あの人に、あの宿にお願いしたい!」と思っていただけるように、丁寧に発信してゆくしかないのだろうな、と。
この件を考えるようになって数日、このお題があったからこそ、「もっとちゃんとやろう!」と思えた。
自分はまだまだやれることを後回しにしているなぁ。頑張ろう。
飯室でした。
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