宿を身近に感じてもらうための種まき
SNSで、とあるゲストハウスの店主が「どうしたら宿をもっと身近に感じてもらえるのだろうか」とおっしゃっていた。
そもそも自分は暇があったらどこかに泊まりに行きたいと思っていて、いままでそうして生きてきた。「飯室さんもバックパッカーだったんですか」なんて聞かれることも多いんだけれど、実は「泊まりにゆく」という行為が好きなんだと気づいたのは、自分が宿で働き出してからかもしれない。
必要最低限の、でもきっと必要なものを想像しながらカバンに詰め、地図を見て、交通を考える。到達したら特に何がしたいわけではなく、ただゆっくりと本を読んだり、コーヒーを飲んだり、少し仕事をしたり。やっていることは日々のことと変化があまりない。ただ求めているのは、いつもと違う環境で、気のあいそうな人がいれば少し喋り(いなければそれはそれでよくって)、必要最低限のものだけに囲まれてゆっくりしたいという感じ。
自分の場合、物欲もあまりないし、食事を作るのも好きな方なので外食もあまりない。一方で(あまり贅沢な宿でないことを前提として)どこかに泊まりにゆくのは自分の精神安定的に必要経費だ。映画館とか、本屋とか、居酒屋とか、そのくらいの低いハードル。
でも、一般的には旅はもっと特別なものと思われているんだろうな。どうしてか考えてみると、やはり「けっこうお金かかるよね」というところに行き着くのか。実際のところは例えば高速バスやゲストハウスを使って、食事も贅沢をしなければ(自炊もいいね)、出費としては大したことないように思う。同じ金額を数時間の飲み会で使ってしまうことがあるかもしれないくらいに。
前置きが長くなってしまった。では、どうしたらもっと宿を身近に感じてもらえるのか。私にとってもまだまだ課題。ただ、ひとつ思うのは、ゲストハウスや旅をもっと日々の生活のなかで触れられる場所に置いてもらう必要があるな、と。泊まらないでも、いろんな角度から、足を踏み入れてもらうチャンスを作る(前述の方は近所の方も来られるイベントをたくさん打っていたそう。すごいなー)。あと、子供。私が1166バックパッカーズを開業したとき、まだランドセルを背負っていたスタッフのナオくん。そう考えると、近所の小学生、中学生たちが「ゲストハウス」を溜まり場のように使えるといいのかもしれない。近所の人が1166バックパッカーズに顔を出す。その人は「あ、ゲストハウスってこんな感じなのね」と垣間見る。「じゃぁ、次の機会にどこかのゲストハウスに行ってみよう」とか、「仕事休みがあったら旅に出てみよう」とか、「父ちゃん、夏休みゲストハウス泊まろうよ」というように。
こういう声を心の中に留めず、「どうしたらいいんだろうね」と口に出し続けるって大事なんだろうな。
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You can certainly see your enthusiasm in the work you write.
The sector hopes for more passionate writers such as you who are not afraid
to mention how they believe. All the time follow your heart.