アルバイト募集の話

 1166バックパッカーズでは毎年1〜2度くらい、アルバイトの募集を行う。応募数はそれほどには多くなく、毎度5〜10人程度。そのなかの1人が実際に働き出す。働き出した彼らは不器用さこそあれど真面目で、人当たりもよく、申し分ないくらいにしっかりやってくれている。その真面目さは、あいにく採用には至らなくとも、応募してくれたみんなにも共通して言えることな気がする。もしかしたら面談時だけの表面的な真面目さかもしれないけれど、少なくとも適当さは感じない。

 自分のなかでゲストハウスでアルバイトをする人に対して、そういうある種の質のいい不器用さと真面目さがデフォルトになっているのだけれど、一般的にはどんなひとがゲストハウスでアルバイトとして働いているんだろう、どんなニーズがあるんだろうと思い、ツイッターで「ゲストハウス アルバイト」と検索してみたところ、自分のイメージと少し乖離した結果が現れた。そうか、首都圏や京都なんかでは学生さんが夜の宿直だけをやったりするのだな。「楽なバイト」「座っていたいなら」というようなキーワードも出てきた。それは1166バックパッカーズとは違うなぁ、って。

 若いころに同じバイトをしていた友人に社会人になってから久々に会った。彼女は自らを「ワーキングプア」だと言った。毎日終電で帰り、終電を逃したら事務所の床で横になり始発で帰る。事務所の近くに引っ越したいが引っ越す資金がたまらない。仕事を替えたいが転職のことを考える時間がない…そんな話だった。

 人生の若い頃のひとときを、がむしゃらに働くのもいいかもしれないが、そんななかで「この道でいいんだろうか」と思う時間が増えて言っているのであれば、少し立ち止まりたい。立ち止まるにはそれ相応の覚悟というのか、リスクがあるだろうし、そこに対して私は何も言えないのだけれど、もし少しの勇気で立ち止まれるのであれば、立ち止まって見たらいいと思う。そしてそういう時にゲストハウスに身を置くのもひとつの選択肢だと思う(もちろん受け入れ先の私としては、疲れた心身のままではなく、よーし!環境を変えるぞ!というポジティブな気持ちに切り替えて応募してきてほしい)。

 1166バックパッカーズのような小規模ゲストハウスでは大きく稼ぐということは難しいと思うが、その一方で、小規模ゲストハウスだからこそゲストとの距離が近く、また地域に片足を突っ込んだ生活になる。必要なのは英語のスキルでも、旅の経験でもなく、宿の知識でもなく、結局のところは温かみのあるひとがら。世界各国から集まる旅人に少しでも心地よく過ごしてもらえるように努力する真面目さ。職業も肩書きも横に置いて、いろんな人がやってくるので、確実に視野は広がる。知らない世界を垣間見て、少し気持ちが楽になったり、やる気が出たりするんじゃないか。そういう時間のなかでこれから自分がどっちを向いて進んでいくのかを考えたらいい。

 自分の知り合いがいないゼロの環境で、新たな生活をしてみたくなったら、ぜひご連絡ください。4月から働いてくれるアルバイトスタッフ、募集中です。

 

 

 

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