ちょうどいい場所

 長野県に暮らしと仕事の拠点を写したのが2006年の春でした。縁もゆかりもありませんでしたが、地元での満員電車の通勤から逃げるにように就職したのが松本市上高地。その頃はまさか自分がこんなに長く長野県で暮らしてゆくとは想像していなかったけれど、今やその時に長野県での就職を決めた自分を褒めてあげたい。

 松本市から長野市に拠点を移したのが2010年の初夏。松本市もよいところでしたが、長野市もよいところ。田舎ほどに密な人間関係はなく、でも近所の方々は優しく往来はしょっちゅうある。車を運転しない自分にとって日々の買い物や交通に困らないくらいの都会であり、かといって満員電車のような人混みはなく、少し行けば山もあり。自分の実家と旦那の実家、どちらにゆくにも都合がいいし。自分のなかではいろんな意味で「ちょうどいい」のだと思います。

 時間と気持ちに余裕ができれば、生活にも余裕がでてくるような気がします。決して大きな収入は得ていないけれど、あるもので丁寧に暮らしてゆきたい(いや、できていないことばかりだけれど)と思うようになり、そこに興味を持つようになって。時々都会に出てきらびやかな世界を楽しんで。

 宿には「長野に移住したい」という方がよく泊まりにきてくださいます。ひとりひとり求めるものは違うから「長野市めっちゃいいよ!」とは大きな声では言えないけれど、それでも自分にとっては「ちょうどいい」ところだなぁ、と思う。

 移住を頭の端っこに考えているあなた、ぜひ泊まりにいらしてくださいね。

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