年初の宿泊

 超個人的な、日記のようなお話です。

 (「今は自粛しなさい」とおっしゃる方もおられるとは思いますが、実際のところ旅でコロナ感染が拡大しているのか疑問であったり、各お宿はこれでもかというくらいに感染対策を頑張っていたりするので、各宿の店主の苦悩のなかでの決断を暖かく見守っていただきたいなと個人的に感じてはいます)

 

 先日長野県内の歴史ある旅館に1泊させていただきました。便利に作られた綺麗なホテルや旅館できらびやかなバッフェなんかを頂くこともありますが、今回の宿泊はとっても考えさせられました。

 我々の生活からすると少し背伸びをする価格帯でしたが、数年前からいつか泊まってみたいなぁとぼんやり考えていたところが当日に空きがあるなんておっしゃるので、「いざ!」とお邪魔することに。

 (詳細は割愛しますが)歴史ある古い建物の随所に感じる知恵と工夫。そのおかげで「十分」を通り越して「快適」そのものでした。そして、その知恵と工夫、例えばどの廊下も暖かく保たれていたけれど、大型の業務用エアコンではなく、家庭用のファンヒーター。「あぁ、これは何度灯油を入れにいってるんだろう」とか、玄関の木戸はもちろん自動扉ではありませんので手で開けますが、手を離すとスーっと閉じてゆく。見ると重しが吊るされていて自動に閉まるようになっていて。あぁ、外は寒いので開けっ放しにならないように工夫されているのね、とか。我々が宿泊した棟とお風呂は別棟だったので、一度外に出るのですがそこには可愛いヤギちゃんがいて箱には「ご自由に」と餌の葉っぱが置いてあり、棟の移動が楽しいものでした。そんな働くみなさんの働きや知恵と工夫を想像し、そしていただいた暖かいお声かけは、完全に価格以上のものでした。

 このコロナ禍中、観光や宿泊というのは「不要不急」とされ、自粛の波を大きく受けています。それは人によっては正しい答えなのかもしれませんが、一方で私にとっては今回の宿泊はざわざわした心にポッと灯がつき、じんわりと暖かさを感じる必要な時間でした。

 不意に思いつき泊まらせていただきましたが、この宿泊によって(歴史や価格は大きく違えど)、一層、1166バックパッカーズという建物自体を愛し、これからまた訪れてくださる旅人のために工夫し、こういう時期だからこそ暖かい気持ちになって帰っていただける場所にしようとやる気が湧いてきました。年初にここに泊まりに行けてよかったな〜(うちのスタッフにも泊まりに行ってほしい)。

]]>