貯蓄によって生かされる

 コロナ禍のなかで休館し始めもうすぐ3週間。スタッフには6割の休業手当を払い、生活をやりくりしてもらう。消耗品や送客手数料こそなくなったといえ、家賃や通信費など固定費は当たり前のように発生してゆく。貸付、給付金、助成金の情報が飛び交い、積極的にアンテナを伸ばしていないと置き去りにされてしまう。そういうお金の面で不安がないと言えば嘘にはなるけれど、以前の投稿でも書いたように、今よりも、再スタートしてからを不安視している。今回はその話題はちょっと横に置いておいて。

 今、1166バックパッカーズは貯蓄のなかで生かされているように感じている。その貯蓄というのはお金の話ではなく、お客さんとの関係性。10年間営業してゆくなかで、「あぁ、この宿は自分には合わなかったな」と思われたお客さんも多々いらっしゃると思う。その理由としては我々の力不足によるものだったり、そもそも求めるものが違ったり、タイミングが違ったり、そういう諸々の理由があると察する。一方で、「なかなかいい宿だね」と思ってくださる方や、「まだ行ったことないけれど、ちょっと気になってて」なんて方がいらっしゃる。10年のなかでできた信頼の貯蓄。まさに、金銭以外の形を持った財産。そういったみなさんが「あれ、オンラインショップ始めたの?」と気にかけてくださり、(きっと応援の気持ちを込めて)購入してくださっている。商品の裏に知った人間がいて、そこのストーリーを何かしら共有しているからこそ、購入につながっているのを実感する。私たちとしては、その応援の気持ちだけを一方的に受け取ったり、甘んじてはダメで、きちんと応えるべくオンラインショップに自分たちが責任をもてる商品を丁寧に並べる。対面で丁寧に接するのと同じように、オンラインでもひとつひとつのオーダーに対して時間をかけて丁寧に対応する。今わかること、今できることはそれしかないのだな、と思う。

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