おせっかい

10年以上前のことになる。DRIVが1166バックパッカーズに泊まったのは。私の記憶が正しければ、彼は一度1166bpに宿泊し、すぐにチェックアウトした。数日の後、確か東北を巡っている最中だった彼からのメールは「やっぱり長野に戻りたい」そう書かれていたように記憶する。

数日後、DRIVが長野に戻ってきた。グラフィックデザイナーとして働き、退職し、日本を旅していた彼に、当時1166バックパッカーズの隣に住んでいた同じくグラフィックデザイナーの太田さん( 太田 伸幸 ) を紹介したのは、ごく自然な流れだった。当時も、今も思っているが、「1166バックパッカーズに泊まるのが良さそうね」と思う場合と、それ以上にその人に合う滞在方法を提案したくなる場合がある。これは「宿屋として」以上に、「おせっかいなひととして」なのかもしれない。

その時は、日本語を話さないDRIVと英語を話さない太田さんでも(面倒見のいい太田さんのキャラもあり)なんだか二人で住んだら面白そうだったので1166bpではなく、太田さんのところに居候することを勧めた(というか、それを太田さんが即答で快諾した。すごいなw)。

それからのことは、正直あまり知らないんだけれど、まぁ隣に住んでいるわけだし、当時DRIVが書いていたブログが読んでいてとても心地よかった。英語で書かれたその文章は、文字を目で追っているだけのはずなのに、リズムがあり、弾むような歌のようだったのを今も覚えている。毎日、二人とも楽しそうだった。

2年くらい前だったか、DRIVが長野に再訪してくれたことがある。デザインの業界の事はなにひとつわからない私だけれども、DRIVの今が充実しているものであることはわかる。動画からもわかるように、彼の人生のなかで太田さんと長野で過ごした時間は、大きな分岐になっていたようだ。

数日後に奈良の蔦屋書店で、以下のトークイベントがあり、DRIVが登壇するらしい(このご時世ゆえに、彼自身はオンラインだそう)。

【トークイベント】『SEARCH BOOK 』-東南アジアのグラフィックデザインスタジオの魅力を見出す- 奈良 蔦屋書店販売記念トークイベント

https://store.tsite.jp/nara/event/shop/18111-1001000111.html

それにしても、初心に帰らされる。そうだった、宿というのはこういう、誰も予想していない化学変化を引き起こせる場所だ。1166bpに泊まったことがきっかけで、インターン先を決めた人たちもいた。泊まったことがきっかけでアルバイトが(先に)決まり移住した人もいる。偶然同じ日に泊まっていて結婚した人も、しかも国際結婚もあった。場所がある、リアルな場所があるというのはこういう事だ。場所がなければ出会いもない。オンラインだけでは足りない。これこそ、1166bpが社会に対してできることなんだろう、そんな風に感じる。このタイミングで、このことを思い出せてよかった。

(ちなみにこのイベントの話は、太田さんから聞いた。DRIVと太田さん、今は何語でやりとりしているんだろう…)

飯室でした

(添付の動画、日本語キャプションです。前に会ったときより、DRIVの髪型がスッキリしているし、顔色も健康そう。そして若かりし頃の太田さんも登場していましたので、ぜひ見て欲しい)

https://www.youtube.com/watch?v=5u2VKRgCFgA

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