これからの1166バックパッカーズ
コロナ前だってもちろん常に真剣に、愛情を持って宿に立っていたけれど、目をつむっている部分はたくさんあった。日々のランでタイムオーバー、というわけだ。
コロナという長いトンネルのなかで4ヶ月弱の休館。まだストーブが手放せない季節だったのに、気づけば花見もまともにできぬままに桜も散り、善光寺周りの里山は濃い緑になり、今や蚊が飛んでいる。2020年の春はすっぽりと抜け落ちてしまった。
そんな切ないなかでも「やるべきこと」に気づく時間ができたのはよかった。例えばSNS、例えば設備的なこと、スタッフとのコミュニケーション、もっと大きなところでいうと、「1166バックパッカーズってこれでいいの?」ということも。「こういうことは片手間ではなくって、本腰を入れて、担当やら時間をきちんととってやるべきだな」と思うようになってきた。
さて、7月23日(木祝)より再開する宿営業。このままでは何事もなかったかのように元の働き方に戻ってしまいそうだけれども、それでは1166バックパッカーズは長生きできないと気づいている。
単純に「安いから」というお客さんはもともと多くはなかった。「値段のわりに、いいところらしい」というのは多かったと思うけれど。ピンチはチャンス。我々は激安の宿をやりたい訳ではない。1166バックパッカーズに見合った価格をつけ、そこに宿泊客が気持ちよくお金を払ってくれる。それがベスト。そして我々がやりたくて、そして泊まるひとも求めているのは、もっと地域に片足を突っ込んだり、ガイドブックに載っていない旅だったり、一期一会の出会いを楽しめたり、自分の居場所がある、そういうことだと思う。かっこいいバーを併設する必要はないと思うし、相部屋の扉がカードキーになる必要もないと思う。デザイナーが入っためちゃくちゃおしゃれな空間…である必要はないと思う。
夏から以下のことをやろうと思っている。
・朝のまち歩き(週5日ほど)
・簡単な朝食(週5日ほど)
・夜の飲み歩き(隔月1回ほど)
・宿泊者も参加できる地域の勉強会(月1回ほど?)
まだまだ妄想の段階ではあるけれど、こういうイメージ。
加えて、コロナ禍中で始めたオンラインストアも引き続きよい場所に育ててゆきたい。コロナ前よりもやること(というか、やりたいこと)は圧倒的に増えた。つまり、私自身は何かを手放す = スタッフに託してゆくことも必要だなと思っている。幸い、1166バックパッカーズにはまだまだ余力のありそうな26.27才の若手スタッフが3人。チームでコミュニケーションを取りながら、宿をよい場所に育てて行きたい。
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