打つ "手" のはなし

 コロナ禍中、多くの同業者(ゲストハウス)が休館という選択をしている。いや、 "私が気にしているゲストハウスは休館をしているところが多い" ということだ。統計を取れば、もしかしたら、宿を開け続けるという選択をしているゲストハウスの方が多いかもしれない。

 休館をしている(していた)ゲストハウスでは、それぞれの主がそれぞれの思い、理由のもとに休館をしていて、その間にいろんな手を打っている。新たなアクションを起こさずに "ただただ待つ" という選択も、"手" の一つだと思う。

 外出自粛のなかで、否が応でもパソコンに向かう時間が増える。SNSを見る時間が増える。他のゲストハウスの、その "手" の多さや鋭さに感心し、同時に自分のところと比べ焦ることもある。思考が、自分の宿ではなく、どこか違うゲストハウスに寄っていく。

 でもそこで、立ち止まることが必要。全ての "手" を打つ必要はない。自分は、自分の宿をどう育てて行きたいのか。目を閉じたときに顔の浮かぶリピータのみなさんは1166バックパッカーズにどう変わって欲しいのか、変わって欲しくないのか。そこを見誤らないようにしないといけないなと思う。

 ○○をすれば△△の補助金がおりますよ、××の条件を満たせば□□の助成金もらえますよ、なんていう話も多い。1166バックパッカーズは開業から10年、一度も補助金や助成金を使わずにここまできた。理由は、面倒だから。それだけ。今回、周りのいろんなゲストハウスとやりとりするなかで、その辺りを上手に使ってやりくりしている宿が多いことを知った。「いいな〜」と思う反面、「やっぱり自分にはできそうにもないな…」と思う。やれる宿はどんどんやったらいいと思うし、それがその宿が打つ "手" なんだと思う。私にとっては、この "手" は打てない "手" のようです。

 SNSで簡単に情報が得られる今、自分はどの "手" を打つのか、どの "手" が1166バックパッカーズらしいのか、その原点に戻ることを忘れてはならないな、と思っています。

https://1166bp.base.ec/

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