消費と応援の関係
「コロナ禍中での "応援" という気持ちを横に置いておいてでも選ばれる場所になりたい」なんてはじめは思っていたけれど、でもそれは独りよがりというか、考えすぎだと気づいた。結局のところは私も消費者の立場になったときに「好きだから、在り続けて欲しいから」という思いがあるからこそ、お店を選択し、お金を払っていることに気づいたからだ。
1166バックパッカーズのオンラインショップで福袋の販売を始めた。福袋といえば、年始などにデパートで赤い紙袋に入れられた「福袋」がワゴンにつまれ、開店と同時になだれ込んできた客が必死で手を伸ばす…なんて絵が私の目には浮かぶ(いや、多分今の時代の福袋はきっともっと進化しているのかもしれないけれど)。
1166バックパッカーズの福袋はすこし趣向を変えてみた。注文してくださったかたとメールでやりとりしながらその人にあった内容をじっくりと考えてゆく。販売して数時間で4件の注文があった。翌日にもさらに増え、6件になったところで一旦販売を止めた。理由としては、ひとつひとつの注文者とのやりとりをしていると、同時並行で対応できる数に限りがあることに気づいたからだ。
余談だが、価格帯は3つ用意した。いづれも送料込みで3000円、5000円、10000円。送料は小さいものであれば200円ほどで送れるが、それ以上になると場所にもよるが1200円くらまでかかる可能性がある。そしてECサイトの決済手数料として、購入額の6%超のコミッションとして引かれる。例えば3000円の支払いの後ろには、決済手数料として220円、送料として最安でも200円がかかる。10000円の購入となると商品も大きくなるので、決済手数料の640円のほかに1000円超の送料がかかる。つまり、10000円を支払っても(うちが採算度外視したとしても)、絶対的に10000円以下の物が届くはずだ。でもそれでは福袋の意味をなさないので、そこはうまくやってゆこうと思考する。何で付加価値を作るのか。
1166バックパッカーズは宿泊代として相部屋で平日は3000円をいただいている。経営のことを考えると値下げはしたくてもできない。では、何で付加価値を作るのか。それをいつも考えながら宿の運営をしている。オンラインストアになってもやることは同じだった。
早々に福袋を注文してくださった6名は、みんなお泊まりいただいた方で、多くがリピーターの方。あえてメールでやりとりをしなくとも、なんとなく想像ができる感はあるが、それでも近況報告のようにメールでやりとりをする。すると「なんと!最近結婚されたんですか」「自炊生活に変わったんですね」「学生時代は野球部だったんですね」なんて知らなかった情報がトントンと出てくる。
福袋の中に入れるものは1166バックパッカーズのオリジナル商品だけでなく、近隣のお店で購入できるものや、長野とは関係ないものも含まれる。私たちが「この人にぜひ…」と思うものは同梱される。私物なんかも含まれる。
話は本題に戻る。何を入れようか考えるとき、全く知らないお店から物を買うことはない。送るからには自信を持って選びたいし、そうなると自然と馴染みの店、馴染みの人から仕入れることになる。そうなると自然と、その購入という行為が「あなたのお店が好きだから買いますよ」という意味をもち、それは一種の応援だった。
1166バックパッカーズのリピーターのみなさんが、応援の気持ちで1166バックパッカーズの福袋を購入し、我々も同じ気持ちで贈り物の品を馴染みのお店から購入する。そういう連鎖で生まれる消費は心地の良い循環になる。
福袋は今いただいている注文の発送が一段落したら、また再開したいと思っています。
オンラインショップでオリジナルビーチサンダルの予約受付はじめました。
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