あっちか、こっちか。
コロナ禍のなかで中期的な試算をしてみました。と言っても、そんなこといままでちゃんとやったこともないし、だから元になる数字だってなんのエビデンスもなく、勘に基づいたものだけれど(でも昔読んだ脳科学の本に、勘は有益で、ほとんどの場面で反射的に浮かんだ「直感」を信じていいっていうようなことが書いてあったと思う)。
<インバウンド>
これは業界用語ですが、簡単にいうと日本に訪れる外国人のこと。インバウンドがコロナ前に戻るのは超希望的観測で2021年の夏ころかと(もっともっとかかると思いますけれど)。1166バックパッカーズはここ数年のインバウンド率は全体の40%くらいでした。曜日の関係ない海外勢は、埋まりづらい平日を埋めてくれます。そこがごそっといなくなるわけです。
<国内旅行者>
徐々に動きが出始めるのが8月と思っています。ただ夏休みが短くなるという話もありますし、家族旅行に関してはいつも以上にお盆に凝縮されてきそう。大学生に関して言えば、今時期にバイトのシフトが少なくなっていることから考えても旅の資金はないかもしれませんね。加えていうと、我々の宿泊の主体である相部屋、シェアという概念そのものがまだまだ危険視されていると思う。6、7月の超低空飛行時期にはグランピング、アウトドアが、8月の低空飛行状態はそれに加えて個室の宿だろうな、と。それでも少なからず収益の上がる(と期待したい)8月を超えたあとの冬。ここはもともとインバウンド率が高い時期。12月に関しては師走で年末に入るまで土日含み日本人は動きが少ない。年を越して1月は正月に旅をしてお金も使っているので、日本人の動きは少ない。つまり、1166バックパッカーズの収支的にはここが大きな山場になると思っている。
場の有効性、旅人どうしの交流なんかが肝となるゲストハウス運営に降りかかった、「集まってはいけない」という壁。今、1166バックパッカーズではオンラインストアの収益だけでたち続けているが、これも急場凌ぎでしかない。さらなる別解を考えなければならない。
周りには宿を閉じるという決断をする人が増えてきた。確かに赤字を垂れ流しして、ボロボロの状態まで走り続けてからやめるよりも、決断は早い方が傷も浅い。これもひとつの別解。
でも、これもひとつの勘、というか希望的観測でしかないんだけれども、ギリギリのところでたち続けて、1年なり、2年なり踏ん張って、その先に、また「やっぱリアルな場っていいよね」という日がくるようにも思う。そこまで1166バックパッカーズはたち続けていられるのか、否か。立ち続けるには、今何をするべきだろうか。そんなことを考えています。
多くのリピータゲストから「宿泊券の前売りやったら」と声をかけていただきます。そこまで一宿のことを気にかけてくださるみなさまに、感謝しかない。ほんとうに。それに対して今の私の回答としては、
◉幸い、1166バックパッカーズの場合は、今すぐのキャッシュに枯渇しているわけではないということ。前述した通り、キャッシュの目減りが激しくなるのは冬を想定。前売りをした場合、それが使われるタイミングと重なってしまいます。
◉極論でいうと例えば宿を閉じるだとか、別業態に変更するだとか、個室限定にするだとか、食事付きの宿にして価格をあげるだとか、これからいろんなことが考えうるなかで、前払いで買っていただいたときと異なる状況が出てくる可能性も否めない。そうなった時に、宿として責任を持てない。
◉加えて自分はそもそも現金主義。先に何かを払っておくとか、あと生産で何かを払うというのが苦手。また今時期の「応援疲れ」もある。「応援して」という暗黙のプレッシャーがじわじわとやってくる。それは対等な関係ではなくなってしまう気がして苦手。
そう言った気持ちから、前売りに踏み切れないでいます。一方で、「泊まりにいけないこういう状況下で、何か関われるチャンネルが欲しい」と言われると、それもそうだよな、って。以前、よく言っていたカフェが資金繰りでうまくいかず閉店したことがあったんですが、閉めるまでそんな経営状態だって知らなくって。自分一人で何かができる訳ではないけれど、それでも何か力になりたかったな、なんて思った。
両者の間として可能性があるのは、「サポーター制度」かもな、と思っています。これはコロナ云々のもっと前からちらほらと脳内に出てきていました。サポート = 支援と考えれば、そっちの方がよっぽど「お願い営業」ということになってしまいそうだけれども、現在の脳内にあるのは、例えば特典として、
・サポーター限定グッズプレゼント
・宿泊利用3000円券×2枚(譲渡可、転売不可)
・会報(年4回、スタッフの選ぶお土産付)
・最新版のオリジナル手ぬぐい1枚プレゼント
・1166会議参加チケット
・1166バックパッカーズのスタッフ研修旅行に一緒に行けるチケット(実費)
・その他何か楽しいこと付
というようなものを特典として、1年単位で、宿としても赤字にならないくらいの、かつゲストにしても「あ、どうせ年に2書いは泊まるから、ちょうどいいね」くらいの価格に設定してサポーターを募ってみてはどうだろう、と思っています。
たぶん、こんなことをやって「ハイ」と手をあげてくださるのは多くて10人くらいかな、って思っていて、そのくらいの、超顔が見える間柄であれば、途中途中で意見を求めつつ、軌道修正してゆくのも可能ではないか、という甘えた心があるのも事実。
まだまだ、どうやったら場の質をあげつつ、1166バックパッカーズとしてたち続けて行けるか、考えてゆきます。
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