『振り返り』

1月。元旦。今年は自分も40才、宿も10才。何か新たなことを始めたいな、そんな抱負を。中旬、自宅の食卓で家の人が携帯ニュースを見ながら「中国のこの風邪みたいなの、ヤバそうだよね」なんていう話をしました。

2月。まだ長野では観光客減を感じてはいませんでしたが、京都など海外からの旅行者が多いエリアから一足先に苦戦の話が。そのタイミングに駅前のスターバックスでダダダダダーっとオンラインストアのサイトを作ったのを覚えています。

3月。まだ観光客減は感じてはいなかった。スペイン人のお二人(ひとりはスペイン在住、もうひとかたは中国の大使館勤務)が下旬に連泊。中国大使館勤務の方は「みんな騒ぎ過ぎでしょう」と言いつつも中国に戻れずにスペインに一時帰国することに。また日本生まれアメリカ育ちの男性もアメリカへ戻れずに連泊が続く。いくつかの同業者が早々に「廃業」という決断をし、多くのゲストハウスが「一時休業」という決断をし始める。1166bpも一時休業を決める。長野県内の6軒のGHで周遊スタンプラリーを始めようと、言い出しっぺになる。

4月。宿は休館。オンラインストアの稼働が高くなる。以前に泊まってくださっていた遠く住む方々からの注文。「結婚して、子供が生まれてなかなか泊まりにいけませんが〜」なんて近況もいただく。購入してくださったこと以上に、こうして繋がりを持ち続けてくださったことが有難い。

5月。当初はGWから再オープンのつも

りだったが、状況的にNGと判断。休館続行。Tシャツが売れ、オンラインストアの発送が毎日続く。4月に続き5月も子供は保育園を自主的に休む。子育ての傍で急ぎ追加の商品作り。終わりころから保育園登園。

6月。もともと閑散期ということもあり、引き続き休館。子供が保育園に行き出したこともあり、館内のメンテナンスを。洗面所の吊り棚を取り漆喰。ソファの張り替え、ラウンジの壁の塗り直しなど。下旬に一旦緊急事態宣言が開ける。

7月。引き続き休館。助成金、補助金、給付金などに助けられる。申請に追われる。3月下旬、まだこの自体を想定していなかったころに決まった新スタッフがやってくる。外食に躊躇するかたに向けて、HAKKO MONZENに協力してもらい、夕食弁当の提供をお願いする。価格をGo To トラベルキャンペーンに盛り込めるので、皆にとって吉。最終週に再オープン。感染症対策のために、検温、身分証明、除菌など。対応がガラリと変わる。変化になれるのに少し時間がかかる。

8月。思った以上に客足がない。トンネルは長い。それでもちらほらと来てくださる旅人たちを前に、一人一人の旅人としっかりと繋がってゆくことの重要さに原点回帰。推し店、Go To トラベルキャンペーンとチェックイン時に時間のかかる案件が増える。

9月。Go To トラベルキャンペーンの利用が少しずつ出てくる。除外地域の方には長野市の推し店チケットを。推し店の余った券で店頭でオリジナル商品購入が増える。引き続き商品を追加してゆく。周遊スタンプラリー・ナンドモナガノが開始。

10月。オンラインストアでの売上は少なくなってゆく一方で、月ごとに少しずつ稼働が良くなる。雇用調整助成金に助けられつつ、少しずつ前進。ナンドモナガノでの県内周遊も目立つ。

11月。上旬はかなり稼働が戻るも、中旬以降は第2波?3波?の影響で再度、予約台帳が真っ白になる。オンラインも売上がよくない。

12月。休館の日が増える。そういった日は雇用調整助成金が有難い。オンラインストアもあまり稼働しないが、一方で執筆やイベント登壇で少し予定してなかった売上を得る。声かけしてくださるみなさまに感謝。年末年始はGo To トラベルキャンペーン一時停止。キャンセル続出かと思えば、もともと安価な価格なのでゲストにとってはそこまでの痛手ではないのか、新規の予約もいただく。一方で、「価格どうこうではなく、今は自粛します。また必ず行きます」との声もいただく。

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そんな風に1年を過ごしました。気づけば大晦日。新型コロナウイルスによって、難しい局面も多々あったけれど、「ピンチはチャンス」という言葉の通り、原点回帰できたことが大きかった。このトンネルを抜けたあと、我々は誰にきていただきたいのか、どういう営業がしたいのか、そしてそのためには今何ができるのか。次に違った災害などがあった場合に別解はあるのか。そして、こういった状況でも声をかけてくれるゲスト、地域のひとたちに1166バックパッカーズはきちんと答えられているのか。

この答えを出せる2021年にしたいと思っています。

2020年 ありがとうございました

新たに迎える年は不安なく、堂々と、楽しい旅ができる1年となりますように

飯室織絵

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