ゲストハウスで働くひとたちの話

 ゲストハウスで働くことを考えたことがあるひとはご存知かもしれないけれど、ゲストハウスにはある種独特の勤務形態がある。それは「ヘルパー」や「フリアコ(フリーアコモデーションの略)」。丁稚奉公、とまではいかないが、住食を提供してもらうのと引き換えに労働するというもの。

 個人的に、このヘルパー制度には賛成。ただ、きちんと双方の(ここ大事)合意があり、その合意が継続できているならば。働く方からすると、住処と食事が提供され、宿に住み込むという特性上、多くの場合は、住食以外にメリットが多い。例えば水光熱やwifiを自分の名義で契約する必要はないし、加えて一人暮らしであればかかってくる水光熱費が浮く。自分の家であればトイレや風呂、台所含み日常的に掃除をするだろうが、その掃除が「仕事」と見なされる(給与が発生していなくとも)。将来的に宿をやりたいとすれば、学ぶことは果てしなくあり、そこを教えてもらえる。働いてもらう方からすると、もちろん人件費を浮かせられる。そして正社員でもなくお客さんでもない、その間にいるような人物がラウンジにいることで、よい空気を作れる(こともある)。

 ただ、前述したようにそこには「双方の合意」が「継続」してゆかないと、と思う。例えば、ヘルパーが「現金収入ないの無理っす」となったり、雇い主が「もっとあれもこれもやってもらわないと!」とか思い出したところで、関係性はぎくしゃくしてゆくと。そこが終了のタイミングかな、と。

 1166バックパッカーズでは2013年くらいまで、ヘルパーが数名来てくれた。その当時、こちらサイドとしては勤務はおおよそ2週間と決めていた。宿をやりたいひとや、旅の途中で立ち寄った長野にもう少し住みたくなったひと、地元で何をしたらいいかモヤモヤしてリフレッシュに、年末年始の大学の休みを利用してどこかに行きたいなどの理由で。自分がフルタイムで入るのが無理ない時期だったので、切羽詰まって人を雇うというよりも、興味を持ってくれるのならぜひぜひ、という感じ。

 その後、ヘルパーの募集はやめた。理由は、自分が宿には入れない時間を誰かに任せる必要ができたから。そうなると、ヘルパーではなく、きちんと給与を払って、ある程度の責任を持って勤務してくれるひとの方がベターだと思ったから。

 本当は、今日書きたかった本題はここからなんだけれども、長くなってしまったので、続きは明日。

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