安心と心配の間

人によってどっちに寄っているかの違いはあれど、みんなこの間で生きているんだろうな、なんて思う。だから「どうですか、行ってもいいですか」と聞かれると、(そうですね、いいと思いますよ)と答えるけれど、「やっぱり止めといた方がいいと思って」と言われたら、(そうですね、止めときましょうか)と答える。正解はわからないけれど、確かに言えるのは、それぞれが決めた答えに従うのが一番。

来るという決断をしてくださった方のなかには、ほんとうに旅を欲している状態の人なんかもいらっしゃったりする。「仕事も止めざるをえなくって、だからもう数ヶ月まともに人と喋っていなくって」、なんて方や、「ゴールデンウィーク自粛して、これで8月も自粛してたら(仕事柄)もうどこにもいけなくって」、なんて方も。

旅人の皆さんは個人ができる感染予防をするということと、我々宿の人はゲストハウスでできる感染予防を全てするということはもちろんベースにあって、その上で来る来ないの決断、状況に応じた受け入れる受け入れないの決断。共に、一生懸命に考えて「よし、今だ」と思ってアレするのならば、それは誰も否定する必要はない、そんな風に思っています。

この数日、何人かの個人店の主人と話す機会があった。こちらの勝手な心配なのかもしれないけれど、少し疲弊されてきている人も多くなって来た気がする。私だって、よくよく考えると胃がえぐられるような思いになる。ただ、一方で、コロナ前の方が精神的にはきつかった。全国的に設備投資をしたリーズナブルな宿が増え、しかもオリンピックを前にしたデフレの波。そこに自分の子育てのタイミングががっつり被って膨れる人件費。ちょっとツラいよなーという資金繰り。そこで起こったこのコロナウィルス騒動。こうなるともはや「ツラいよな〜」は自分のところだけでなく、日本国内(というか世界的に)の宿が「ツラいよな〜」と、同じラインに立った。ほんとうに、今までとはレベルの違う「ツラい」状況ではあるんだけれども、原点回帰、足元を見つめ直す時間を与えられたように思って、今できることを考えています。

飯室でした。

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