りんご屋さんから学ぶ「好き」の言語化

 とある農園のりんごジュースを取り扱いと思ったので、その旨をご相談してみたところ、丁寧な返信メールのなかで「ひとつ質問なのですが、数あるリンゴ園の中で、当園を選んでいただいたのはどんな理由からですか・・・?」と尋ねられた。

 (おー!その質問っ!)と心のなかで叫びました。私、同じ質問をよくします。とくに見知らぬライターさんからの取材の依頼時に。

 で、私、そのメールをいただいてから、ちょっと家の事や宿の出勤でバタバタしていたので、丸一日近くパソコンに迎えませんでした。ただパソコンに向かわずとも、頭のなかでは(どうしてなんだろうな・・・.)と自問自答していたんです。で、先ほど、いざパソコンの前に座り、自分の気持ちを切々と、正直に記しました。その一連の過程のなかで感じたのは、この質問をいただいたからこそ、自分のなかで考えが整理され、かつそれを言語化することで、相手への好意がまた一つ大きくなることに気づきました。(あぁ、こういう理由で、私はこの農園とやりとりをしたいのだな)と。

 一方で、自分が取材を依頼されたときに放つその質問は、言葉こそ同じであれど、意味合いが違ったような気がした。自分は「うちのことなんか何にも知らないくせいに、ただ検索で引っかかったから依頼してきたんでしょ」なんて横柄な気持ちもどこかにあったような気がする。実際に、例えば「1166さんって激安なんですよね。安宿の秘密教えてください」のような、門前払いしたくなるような依頼もたくさんあったからヘソを曲げてしまっているのかもしれないけれど、ヘソを曲げてる間に、本当にいいご縁を自ら蹴っていたかもしれない。それはもったいない話。だから、前述のかたのように、もっと丁寧なやりとりをしてゆきたいな、と。そして、本当に「1166バックパッカーズに」と思って声をくださったかたは、(面倒くさがられるかもしれないけれど、)この質問で一層好きになってくれるのかもしれないな、なんて勝手に思いましたとさ。

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