事実

この数日、ふと「事実に目を向ける」って大切だよな、と思いました。

今のコロナ禍中、ゲストはもちろん多くない。しかしながらそれはコロナだけの問題か?というとそうでもなかったと思う。コロナがこうなる前だって、オリンピックのデフレや、そもそも全国に堂価格帯の宿の総数が増えていたのもあり、簡単にはお客さんに来ていただけない雰囲気を感じ始めていた。今この状況で、一見して他の宿と「お客さんが少ない」という事実は共通でも、顕微鏡(までいかないか、多分虫眼鏡くらいで)見てみるとその内容は宿によって違う(んだと思う)。それはコロナが開けたときに明らかになってくる。

相部屋主体のゲストハウスについて考えてみる。

おそらく、例えば20年前は、相部屋というのは「安かろう、悪かろう」の方が多かったと思う(もちろん、そうではない相部屋主体の素敵な宿をいくつか知っているし、そういう宿や、そういう宿を知っている旅人はかなり先進的だったと思う)。

で自分が始めた10年ほど前は、東日本大震災を受け「シェア」という概念は「コミュニティとして必要だよね」となり、また時を同じくして、「リノベーションでちょっと良い感じのゲストハウス」ってのも出てきた。ただ、この頃のゲストハウスはどちらかと言うと、あまりお金をかけずに始まっていて、不便でありつつも店主の知恵と工夫、そしてゲストの協力のもとで成り立っていたと思う。

その後はまた変化する。インバウンドも増加し続け、ゲストハウスの認知度も上がり、ある程度「稼げる」業態となり、きっちり初期投資をして、デザインも抜群にかっこよくって、アメニティも良い香りがして、バーやカフェではカウンターの向こうにオシャレな若いスタッフが働いていて、写真映えする彩りの良い料理が出てきて。「どこを切り取っても完璧!」そんな宿が増えた。spりゃ〜はっきり言って、うらやましい(笑)自分が働くんだったら、そんなところに身を置いて、モチベーションを持って仲間とぐんぐん前に進みたい。

ただ、事実として、自分の宿は、この例で言うと真ん中の世代の宿。初期投資はあまりせずに、知恵と工夫で小さくやっている、「おしゃれすぎない」宿。こういう宿に、未来はあるのか?

それを考えるなかで、もう一つ目を向けるべき事実があるとも思った。それは、そんなオシャレなホステルができてくる中でも1166バックパッカーズのリピーターになってくれるひとたちが一定数いるということ。それは、我々のような、ある種不器用な、知恵と工夫とゲストの協力で成り立たせている宿をイイネと思ってくれている人が存在する、ということ。これも事実。ここにもきっちり目を向けないと。

多様な宿があれば、それだけ多様な旅ができる。我々がおしゃれなホステルになることはできないけれど、我々には我々の良さがきっとある。それを求めてくださる人にきっちりと情報を届ける。そこを最大限に出す努力をするべし。

ですね。ちゃんちゃん。

飯室でした

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(引き続きスタッフ募集しています。今年は応募自体は多いものの、双方の求める・提供できる内容に差異があり、なかなか決まらず。「よし!」と言う方いらっしゃれば、ぜひに)

https://1166bp.com/recruit/2021

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