母は働いていないのか

 この1年、3歳の子供を預けているのだが、イレギュラーな日に保育をお願いすると先生から「本当に仕事をしているひとしか預かれませんので…」と何度か言われた。きっと悪気のある発言ではなくって、こう言われるのに思い当たる節はある。例えば、

●お熱が出てお迎えを依頼するために職場に電話すると(常日頃から宿の固定電話を母の携帯に転送しているので)従業員ではなく常に母がすぐに出るし、(予約ベースの仕事ゆえに、リスクマネジメントで自分が急に呼び出されたときを想定したスタッフ配置をしている)母はものの数分ですぐに駆けつける。

●(宿の午後のシフトは15時半〜23時ゆえにどうあがいてもスタッフに任せざるを得ないので)16時という最早にお迎えに来る。ちなみに同じクラスで他にこの時間にお迎えに来れるのは下の子が生まれたばかりで育休中の母たちのみ。

●(自分が入れない分、スタッフに給与を払ってやりくりしているのだが)運動会、参観日、お別れ会など平日でも土曜でもきちんと参加する。終わったら延長保育は申し込まずに、一緒に帰る。

 こういうフレキシブルな対応がアダとなっているのか、どうやら「自由人」「働いていない」という風に写っているようだ。これについて個人のFBにちらっと書いたら、同じく個人事業主の方から共感の声が多々。

 なるほど、お宅もですか。ということで、ここで言いたいのは、「働く」についての概念が固定化されているのではないか、ということ。おそらくマジョリティとしては土日休みで9時〜17時なんかのお勤めが想像されている。でも、在宅ワークのひと、自分で店をやっているひと、私の想像外の働き方をしながら子育てとバランスをとっているひとも多いはず。

 そんなモヤモヤを抱えていたとき、今朝行き合ったご近所さんが素晴らしいことをおっしゃってくれた。「(保育士さんや学校の先生も)織絵さんがよく言うように、若いころからゲストハウスなんかに顔をだして、いろんな働き方を知る必要がありますね」と。

 おー!そう!目から鱗!進路を決める前の高校生や、就職活動前の大学生に「ゲストハウスに泊まりにきて、いろんな大人と会うといいよね」なんてよく思っているのですが、働き出してからもそれは大きく影響しますね。

 それにしても、保育士さんは絶対的に忙しい。暑い日も寒い日も、平日毎日 元気一杯の子供の面倒を見てくれてると思ったら、土曜保育もシフトで入っていたりして。地域の行事なんかにも参加している姿を見るし、子供が昼寝している間や降園したあとに残される仕事もどっさりあると推測する。そう考えると、子供の安全を考慮しながら目の前のことを片付けてゆく日々だと思う。我々もそうだけれども、やはり働く人たち全体として、物事を俯瞰してみる時間というのが確保されれば、世の中はもっと生きやすいだろうな。

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